
この記事ではゲーム会社やゲームを批判して人気youtubeチャンネルとなっている「ナカイドのゲーム情報チャンネル【辛口】」をゲーム業界20年の視点から見た雑記を書いていきたいと思います。
youtubeでゲームを批判し痛快な表現で注目を集めていたが、現在は更新を休止しています。
youtubeという誰もが手軽に触れることができるメディアで登録者数が何十万人といるチャンネルは影響力を持ちます。youtubeの「ナカイドのゲーム情報チャンネル【辛口】」はゲームやゲーム会社の起こした不祥事や品質の評価をまとめ、ゲームユーザーの関心を誘って人気チャンネルとなっていましたが、なぜyoutubeの更新を休止するようになったのか。下記の3つの項目に焦点をあてて書いていきたいと思います。
- ゲーム市場に対するユーザーのフラストレーションの捌け口としての受け皿
- インフルエンサーの影響力とそれにともなう責任の重さ
- ゲーム業界が向き合うべき問題
ゲーム市場に対するユーザーのフラストレーションの捌け口としての受け皿
今から約20年前のゲーム市場は、主にコンシューマーゲームが主流でした。
コンシューマーゲームはゲームソフトを購入し、そのゲームが期待以下のゲームだった際は購入者が損をした、がっかりした、等のネガティブな感情になり、そのゲームを批判するにとどまっていました。
そして、15年前あたりからPCオンラインゲームで海外のゲームのリリースが増え、ガラケーでは急速にアイテム課金やガチャによる高額課金要素が増え、ゲームの品質も大きく変動しました。
現在では、アイテム課金や高額課金要素を残したまま、品質の高いゲームアプリが多数登場し、ゲーム会社も20年前と比べても格段に増えました。
このように市場が変化し、ユーザーが求めるニーズとのギャップがユーザーにゲーム会社、ゲームに対してフラストレーションを抱える一因となりました。
昨今ではSNSやyoutubeで個人が意見を拡散、表現できるサービスが身近にあり、このフラストレーションの受け皿としてゲーム会社・ゲーム批判のyoutubeが注目を浴びるジャンルとして確立されるようになったのだと思います。
インフルエンサーの影響力とそれにともなう責任の重さ
上述したように個人が意見を拡散、表現できる昨今では情報発信力としての影響力を持つことができますので、個人や団体を批判して攻撃したり、貶めたり、印象操作することも可能です。
その強大な力を認識するには責任や十分な知識がなければコントロールできず、暴走する恐れがあります。SNSやyoutubeで影響力を急速に持ってしまい、コントロールができず 「ナカイドのゲーム情報チャンネル【辛口】」 の投稿者の方が活動を休止しましたが、ゲームユーザーが求めていたからこそ影響力のあるチャンネルになったというのも事実だと思います。
ゲーム業界に従事する者として思うことは、ゲーム会社やゲームへの批判的な意見や声が出ることのないようにゲームの品質やサービスを提供するべきであり、批判することを迷惑や営業妨害だと主張するのはあってはならないと思います。
ゲーム業界が向き合う問題
ゲーム業界は今や海外も含めて参入した会社が多くなりすぎており、ゲームの数も多く、品質やサービスの質の差が激しく、ユーザーを大切にしていない会社が非常に多いと感じます。
「ナカイドのゲーム情報チャンネル【辛口】」 のようなゲーム会社やゲームが起こした不祥事を切り口に、貶める内容が受け入れられるのもゲーム業界が招いた結果であると思います。
広告とまったく違う内容のゲームだったり、ゲームよりもお金を費やすことに比重をおいたデザインになっているゲームが短いスパンで市場に登場してはすぐに消える、ユーザーを消費する構造を改善しなければゲーム業界が健全な業界ではなくなり、ゲーム業界を目指す人もいなくなり、衰退していくのではないかと思います。


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