
この記事ではスマートフォンやオンラインゲームなどのサーバーを使用しているゲームのサーバー停止、すなわちサービスが終了する時の決定から終了時までの業務を解説します。
この記事を読むことでサービスが終了するゲームの裏側を知ることができます。
ゲーム業界に就職や転職を希望する方は読んでおくと少しでも役に立つかと思います。
ゲームサービスが終了するまでの過程をこちらの項目に沿ってお話しします。
- ゲームサービスの収益や改善の余地があるかどうかの判断
- パブリッシングしている会社の規模、他者IPの利用などの権利問題
- サービス終了に伴う返金対応
ゲームサービスの収益や改善の余地があるかどうかの判断
ゲーム運営にはランニングコストが生じます。どのようなコストが生じるかというと、主に下記の4つです。
・人件費
・サーバー費用
・IP使用料
・広告宣伝費
ゲームの売り上げが減少すると、まずはゲーム利用者の離脱箇所となるシステムの改修や新たなコンテンツを実装して改善を図り、それでも改善しない場合は人件費や広告宣伝費を減らし、運用コストを下げて数値改善の機会を狙います。
そして徐々にサーバー費用や改善作業を行うスタッフの人権費も削減していき、ゲームの規模が縮小していよいよサービスが終了する決定が下されます。
体力のある会社だと新たなゲーム開発や別のサービス中のタイトルへとスタッフの移動が行われますが、そうでない場合は解雇や契約終了となるケースもあります。
日本では正社員を会社都合で解雇するのは非常に難しいといわれていますが、実際に解雇されるケースは少なくありません。
売れているゲームがある会社、売れるゲームを作れる会社、ゲームサービスが終了することに耐えれる会社であるかどうかという観点でも就職、転職する会社を選ぶ際には考えておくと良いかと思います。
パブリッシングしている会社の規模、他者IP、ライセンス利用などの権利問題
ゲームサービスが終了する判断が下されるのはゲーム売り上げが黒字であったとしても終了するケースもあります。
なぜ黒字なのにサービスが終了するのかというと、会社の規模が大きいと売り上げが黒字であっても目標金額が高く設定されており、その売り上げが未達であった場合は容赦なくサービスが終了します。
会社によっては特定のIPを使用したゲームは何本まで。という取り決めもあります。
また、他者のIPやプロスポーツなどのライセンスを使用しているゲームは使用料を固定で支払う契約であったりし、毎月費用が発生するゲームもあります。
特にライセンス費用は高額なケースも多く、売り上げが期待できる反面、ゲームに人が溜まる設計になっていない場合は財政を大きく圧迫し、更に契約期間中はサービス終了ができないケースもあります。
(プロスポーツのライセンスを獲得するにはそれなりに体力のある会社でないと難しい)
サービス終了に伴う返金対応
ゲームサービスが終了と決まった場合、ゲーム内で有償の貨幣を販売していた場合は、資金決済法に基づき、購入者へ残額の返還をしなければなりません。
その際に利用するのが返金を専門としている企業へ依頼します。
ほとんどの企業が返金を専門とする企業へ依頼します。
サービスを終了するために必要な知識や業務がありますのでゲームサービスを終了することに携わることもゲーム業界では1つのスキルとして扱われます。
ゲームサービスが終了して会社が傾くという体力のない会社を選ばない限り、サービスが終了するというのもゲーム業界で働く者にとってはいい経験の場でもあります。
しかし、ゲーム利用者ユーザーから惜しまれたり、採算がとれていない場合は社内でも厳しい立場になっている場合もありますので、決して楽な状況ではありません。
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