アプリ調査会社のSensor Towerによると、2023年の上半期の日本のモバイルゲームの売り上げ規模は、前年同期比11%減の68億ドル(約9396億円)。ダウンロード数も同様に、全体で約3億ダウンロードを記録し、前年同期比6%減にとどまった。
この減少の要因としては、下記の3点が考えられる。
- コロナ禍の収束
コロナ禍の影響で、在宅勤務や外出自粛が広がったことで、モバイルゲームの利用時間が増加しました。しかし、コロナ禍の収束に伴い、これらの影響は徐々に薄れてきています。
- ゲーム市場の多様化
ゲーム市場は、近年多様化を進めています。スマートフォンやオンラインゲームの普及により、ゲームのジャンルやプレイスタイルが広がり、それに伴いユーザーのニーズも多様化しています。そのため、特定のジャンルやゲームに偏った売り上げ構成になっている企業では、売り上げの減少が顕著になっています。
- 新作ゲームの不振
2023年には、人気IPを活用した新作ゲームがいくつか発売されましたが、いずれも期待されたほどの売り上げを記録することができませんでした。
今後も、コロナ禍の収束やゲーム市場の多様化などの影響により、モバイルゲーム市場は緩やかに拡大していくと予想されます。しかし、売り上げ規模が大きく伸びることは期待しにくい状況です。
コロナ禍が収束し、巣籠の反動で旅行や行楽、ライブ等のレジャーが盛り返し、コロナ禍で益々増加傾向となった”押し活”による、特定のコンテンツのみ利用者、ファンを長く引きつなぐのもあり、スマホゲームのような新しいゲームが次々と現れる市場においては利用者がついてこれないという背景もあるのだと思う。
日本のエンターテイメント利用者の傾向はコロナ禍を経て、大きく変わってしまった。
この傾向は2024年も色濃くなり、日本国内のスマホゲーム市場は更に厳しい状況を迎えそうだ。
ゲーム業界の大半を占めるスマホ向けゲーム会社は業績の低迷に加えて人材不足により、こういった市場の変化にも一層拍車をかけそうだ。
2024年にゲーム業界に転職を検討している方はかなり厳しい状況になりそうだと思う。
企業の人材不足とはいえ、2024年のゲーム業界は即戦力や専門スキルを持った人材のみを採用し、未経験者の育成を兼ての採用は難しい状況になりそうだ。
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